ヨーロッパの記憶は遠くなり…

今年初めのNOTE(ブログ)に書いたことですが、ヨーロッパに昔住んだ記憶をもとに今日は書いてみます。1980年から85年までの5年間、自分はオーストリアの首都ウィーンにいました。1980年の夏、初めてヨーロッパに一人で降りたったのが旧西ドイツのミュンヘンでした。最初に訪れた美術館がアルテ・ピナコテーク。1週間後には南独の小さな町ムルナウで2ヶ月の語学研修を行い、オーストリアのウィーンに移りました。そこからの5年間はずっとウィーンにいました。一度フランスやスペイン、ポルトガル、イタリア等の南西欧に出かけ、ルーマニア、ハンガリー、旧チェコスロバキア、旧ユーゴスラビア等の東欧は幾度か足を運びました。引き上げる時に旅したギリシャとトルコ。ウィーンの旧市街とエーゲ海沿岸の遺跡が、自分の造形における発想の原点になりました。あれから30年が経とうとしています。ヨーロッパの記憶は次第に遠くなってきました。ただ、自分が5年間暮らしていたおかげで、その空気感だけはしっかり覚えているのです。観光した名所旧跡はあまり胸に刻まれていませんが、自分が仮住まいをしていた周辺の市場や銀行が時折夢に出てきます。もう一度ヨーロッパに行ける機会が訪れたなら、5年間とは言わないまでも暫らく彼の地に留まり、自分の原点とした風景を再度探りたいと思います。帰国前に見たウィーン美術史美術館。アルテ・ピナコテークのデューラーに始まり、ウィーン美術史美術館のブリューゲルで幕を閉じた5年間は不安と期待の入り混じった滞在期間だったと述懐しています。

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