「手の痕跡」が物語る塑造の数々

先日、東京上野にある国立西洋美術館で「手の痕跡」と題されたロダンやブールデルの彫刻展を見てきました。日本には松方コレクションを初めとするフランス美術の名作があり、とりわけロダン等の鋳造作品の数々は圧巻と言えます。自分は10代の終わりに工業デザインから彫刻へ志望を変えて大学受験に臨みました。最初の動機として建築的な立体造形に憧れていたのですが、大学に入ったら塑造の習得に明け暮れ、立体構造は塑造を通して学ぶことになりました。学生として最初に影響されたのがロダンで、次にブールデルやマイヨールでした。マンズーやファッツィーニ、ムアやジャコメッティ、抽象ではブランクーシやノグチ、カルダー等々がそれに続きます。もの派等の現代彫刻、インスタレーションへの道はさらにその先にありました。自分の学生時代はロダンのように流麗で逞しい塑造ができたらいいなぁという思いがありました。塑造の表面に残る手の痕跡を眺めながら、内部から外へ出てくる肉塊の表出、隆々とした筋肉に満ち溢れる緊張感、うねるように迸る抒情、そこに付随する文学性は好きにはなれませんが、それでも自分の原点を見るような思いで今回の展覧会を見て回りました。

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