「シャガールとマティス、そしてテリアード」展

先日、神奈川県立近代美術館鎌倉館で開催中の「シャガールとマティス、そしてテリアード」展に行ってきました。シャガールやマティスの色彩の美しさに改めて感動しました。展示されている作品は美術出版・編集者として知られたテリアードによるものです。色彩の巨匠であった2人の芸術家の多色刷りによる豪華な版画集は、時代の変遷により豊かな生活を求める人々のニーズに応えることを目的に作られたものでした。リトグラフ(石版)やステンシル(孔版)によって鮮やかな色彩を獲得した表現は、今になっても美しさは変わることがありません。自分はマティスの「ジャズ」に昔から惹かれていましたが、オリジナル版画を見るのは初めてでした。切り紙絵による大胆な構成と明快な色彩。人も文字も象徴化したカタチも踊るように跳ねるように描かれた軽快さに、身体が衰退しても感覚が若返っていくマチィスの巨匠たる所以を見る思いがしました。

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