23歳の頃…

昨日のNOTE(ブログ)で「不安定の中の安定」を書いていて思い出したことがあります。自分が23歳の頃のことです。大学で彫刻を学んでいた自分は、卒業制作を終え、五美大卒業制作展と称した東京都立美術館での彫刻展示をしていました。卒業式まで指折り数える日になり、とくに就職活動もしていなかった自分は、とりあえず父の営む造園業を手伝いながら海外に行く方法を探ろうと考えていました。そんな時に昼ごろになると決まって身体が重くなり、動けなくなってしまうのでした。これは病気と思い、大きな病院で精密検査もしましたが、異常は見つからず、自分は一体どうなってしまったのか不安が募るばかりでした。表向きは普通に振る舞っていたものの毎昼の数時間に恐怖さえ感じました。その後、海外へ行く目途が立つと不思議に身体が楽になり、元の自分に戻りました。あの2か月は何だったのだろうと述懐していますが、今も原因はわかりません。自分なりに考えると精神疾患の一つではなかったかと思うのです。当時は彫刻が人生を賭けるほど面白くなって、卒業により大学での制作環境が失われてしまうことが残念でなりませんでした。将来の不安、やりたいことが見つかっても出来ない不満、浮世離れした自分に現実が正視できない自己嫌悪、でも何とかしたい欲求が絡み合って、自分ではどうすることもできない甘えの構造があったのではないかと思うこの頃です。23歳の頃…今でも覚えている当時の気分に比べれば、社会人として甘えがなくなった現在の方が情緒が安定しているように思います。たとえ、時間に追われていたとしても…。

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