「男は歴史を作り、女は歴史である。」

男性と女性に関する面白い文章があったので、NOTE(ブログ)で取り上げます。難解で意味を噛砕くために何度も読み込まなければならない書籍「西洋の没落」(O.シュペングラー著 村松正俊訳 五月書房)を副題ごとのまとめとして、現在NOTE(ブログ)にアップしていますが、それとは別に表題にした「男は歴史を作り、女は歴史である。」の定義が面白かったので話題にしました。「女性的なものは宇宙的なものにより近い。それは土により深く結びついており、自然の大循環のなかにより直接入りこんでいる。男性的なものはより自由であり、より動物的であり、感覚においても理解においても覚醒的で、より緊張している。」「男は歴史を作る」とは「真に男性的な歴史であって、すなわち政治的および社会的歴史である。それはより意識的で、より自由でより激動的である。」「女は歴史である」とは「永遠の母性的な、植物的な歴史であり、世代の継続の文化なき歴史である。」本書が書かれたのは第一次世界大戦後の1918年で、シュペングラーは男性と女性の生態やそれに伴う思考感覚の相違を歴史のなかに組み込んだ論理を展開しています。生殖上の構造はどうにもならないものですが、現代世情を見ていると政治や社会的発言をしている女性も多く、その一部だけ取り出せば定義が揺らいでいる気がします。根本的には記述されている通りではありますが…。シュペングラーの独特な論法や言い回しに惹かれつつある今日この頃です。

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