週末 後輩の美術展へ

週末になり、朝から工房で制作三昧です。まだまだ暑い日が続いていて、土練りやタタラ作りに汗を流しています。毎週制作工程に追われるような気分で作業に精を出していますが、時に何が楽しいのか、自問自答をして虚しさを感じることもあります。そんな時に後輩の若い彫刻家が工房に訪ねてきました。彼は二科展に木彫作品を出品している気鋭の作家です。自分と同じ二束の草鞋生活で、年齢の違いこそあれ、お互い励ましあって制作をしている仲です。彼は今年の二科展の案内状を携えてきたので、午後時間を作って家内と東京六本木にある国立新美術館に出かけました。二科展では大変いい刺激をもらいました。彼の作品は昨年より完成度が高く、また勢いがありました。ウネウネと這う蔦のような形体が全体を引き締めていました。今夏集中して取り組んだ様子も覗えました。植物的発想から動物的生命体になりつつあって何か得体の知れないものが誕生する予感を感じさせる作品でした。来年が楽しみです。自分も来年の個展では昆虫のような生命体を作ろうとしているので、何か共通する意識を感じました。虚しさなど感じてはいられない、頑張って陶彫に取り組まなければならないと感じた一日でした。

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