村井正誠記念美術館

先日、東京等々力にある村井正誠記念美術館に行きました。往復葉書で申し込んだのは香川県高松にあるイサム・ノグチ庭園美術館と京都にある桂離宮と今回の美術館で3回目になります。因みに京都にある重森三玲庭園美術館は電話予約で済んだ記憶があります。村井正誠は日本の抽象絵画の草分け的存在として絵画だけではなく建築や装飾デザインにも表現の幅を広げた人でした。家内や自分が学んだ大学でも教鞭をとっていたようですが、自分が入学した時には既に退官されていて、ご本人に会うことは出来ませんでした。家内が卒業する時に卒業制作展で優秀賞をとり、村井正誠デザインによるメダルを頂いています。そんな縁があって今回入館を申し込んだのでした。美術館はモダンな建物で、美術館手前には鉄で囲んだ池がありました。池の中にご本人が愛用していた車が置いてありました。池の中に錆びた旧式の車。異様とも思える組み合わせに唖然としていると、一面ガラス張りの扉が開いて、文化学院で助手を務めていたという女性が館内を案内してくれました。刺激を受けたのは案の定アトリエでした。所狭しと置かれた世界各地の民芸品や絵のモチーフや描きかけの作品、当時の個展のポスター等が埃を被っていて、それでもそれぞれが調和を保っているように感じられました。主人なき空間。在りし日の残像。展示空間には明快な色彩でざっくりと構成された心地よい大作絵画がありました。「村井は学校に勤めていたので、制作はいつも夜でした。」と案内してくれた女性がおしゃっていましたが、自分もウィークディは制作がままならず、そんな中で創作活動を続けた村井正誠の困難と気骨を感じていました。

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