色彩感覚とは何か?

画家が捉える色彩とは何か?デザイナーが捉える色彩とは何か?自分が高校生の頃、工業デザイナーを目指してデッサンや色彩構成の勉強をしていて、自分の色彩感覚が極めて鈍いことを知りました。隣り合う色彩の関係が醜く眼に映り、それだけで色彩構成は苦手という意識を持っていました。だからといって形態感覚が良かったわけではないのですが、まだ形態の方がましなので、フォルムを捉える勉強に精を出していました。自分が工業デザインから彫刻に意識が移った理由のひとつが色彩感覚の乏しさによるものです。色彩感覚は磨けるのか?学んで色彩感覚が身につくのか?20代後半の5年間のヨーロッパ滞在は、もちろん彫刻の勉強が全てでしたが、自分なりには色彩感覚も多少身についたのではないかと思います。とくに今読んでいる「クレーの日記」の著者であるパウル・クレーや「青騎士」や「バウハウス」のカンディンスキーの作品に触れた時に色彩の何たるかが多少わかった気がしました。彼らも他国を旅して色彩感覚を磨いた記録が残されています。アフリカやアジアの風物によって、また南国の自然によって色彩感覚が齎され、それを自己表現に凝縮し、色彩に溢れた作品が残されているのです。自分もようやく色彩に眼が向きはじめました。色彩感覚を磨くことを生涯学習として取り組んでみたいと思っています。

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