詩作への憧れ

詩は若い頃からよく読んでいて、詩人はどうしてこんなコトバが思いつくものか不思議でした。頭脳の回路が普通ではないのか、コトバを感じ取る能力が優れているのか、ただ文章を綴るだけが好きな自分には到底出来ないと思っていました。今でもそう思っていて、自分が10代の頃から訓練を積んできた造形美術に比べれば、詩はどうアプローチしていいのかわからないのです。コトバを使った創作活動の中で詩ほど自分の心を捉えるものはないし、そうかと言って自分で作ってみても作為が見えて気に入ったものはできません。詩と言えども造形美術のような訓練を必要とするものなのかもしれませんが、作ると言うより生まれると言った方が適切かなぁと考えています。造形的イメージも生まれるものです。詩が生まれる時はどんな時なのか、さて書くぞ!と机に向かって出来るものなのか、ふとした瞬間に思いつくものなのか、詩作への憧れは募るばかりです。自分がやっている造形美術にも詩的世界が存在すると考えれば、詩はコトバを介さずとも自分の中に在るものなのかもしれません。ただ、ここで言う詩作への憧れはコトバを表現手段として使った場合です。

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