創作に思いを馳せて…

公務員としての仕事中に、ふと創作に思いを馳せることがあります。ほんの少し心を解放して制作中の作品のことを考えます。頭の中で描くイメージ。顕在化しない自分の中の自由な落書。まだ自己表現を見つけられない時代には、荒唐無稽な世界を夢見てはリセットを繰り返し、長い時間ぼんやりしていることもありました。そんな自分の様子が周囲に奇異にうつったこともあったようです。彫刻という媒体に魅せられてからは素材に拘束され現実的な創造に変わりました。イメージは具現化されることが念頭にあり、その分自由さは奪われていきましたが、自分の世界を創造し得ることには変わりなく心の開放感は昔のままです。いったい今までどのくらいイメージを巡らせ、そのうちどのくらいのイメージが作品になったことか、毎日のようにイメージが生まれ、また忘れ去られ、あるいは夥しいイメージのうち拘りのあるものだけが選択され、さらに素材が用意され、作業が開始されたことか、たまに考えることがあります。RECORDは日々の記録ですが、夥しいイメージの一側面であるばかりか、頭の中で描くイメージとは違い、現実的な技能が付き纏うので心の解放には繋がりません。創作に思いを馳せる時が一番幸せと感じるこの頃です。

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