「アンドレ・ブルトン伝」を読んで

長い間携帯してじっくり読んでいたアンドレ・ブルトンの伝記を今日読み終えました。晩年の部分は一気に読んでしまいました。シュルレアリスムの思想を体系化した提唱者であり、シュルレアリスムの根幹を成す詩・愛・自由をもって、社会情勢や政治の動向にも進言した思索家アンドレ・ブルトン。その生涯では精神医フロイトや革命家トロツキーにいたる思惟や人格との出会いがありました。ブルトンは常にシュルレアリスム宣言の原点に戻り、求心力を失わず人生に幕を引きました。享年70歳。伝記の最後に記されたブルトンの言葉が印象的です。「もし生が、すべての人びとにたいしてと同様、私にいくつかの失敗を課したとしても、私にとって重要なのは、詩、愛、自由という最初に抱いた3つの主張をけっして曲げなかったことです。」

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