RECORDとP.クレー

このところRECORD制作に熱が入っています。何か新しい表現をしているわけではなく、意識が変わったように思えます。契機になっているのは先日見に行った「パウル・クレー おわらないアトリエ」展です。クレーの模索や試行によって自分は刺激を受け、それがRECORDに表れているのです。RECORDは毎日1点ずつ制作している小さな絵画です。画面構成や色彩計画、モチーフに至るまで毎回どんなことをやるのか思案しながら、毎晩食卓においた小さな厚紙と格闘しています。もちろんクレーの作風とは異なります。クレーは模倣できる作家ではないからです。クレーのようには出来ない自己イメージで、クレーのように自分の世界を模索しているのです。クレーの多作に憧れる自分は、この一日1点の制作スタンスを変えたくないと思っています。線描が哲学するクレーとは違い、自分が描く線に魅力を感じることが出来ない自分は、自動記述や構成要素を使って自分なりの世界を築き上げたいと考えています。RECORDという表現手法はここにきてようやく自分のお気に入りになってきました。

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