印の表現の楽しさ

自分が作っている印は、集合彫刻の部品ひとつひとつに貼り付ける目的があります。和紙に押印し番号をつけて、陶彫部品の見えないところに貼っていきます。新作ごとに新たな印を彫っています。書道等に押印する落款はそれなりの伝統を踏まえた形式があるのだろうと察しますが、そんな手ほどきを受けたことがない自分は自由気儘に作っています。自分にとって印は言わば抽象絵画なのです。クレーやミロ、モンドリアンのような記号化された構成的な平面作品。そう考えると印はとても楽しく拘りのない世界です。自分の氏名を崩して線の要素として捉え、解読不可能なくらいに煮詰めてしまうと不思議な世界が出てきます。中国から由来した正しい篆法、印法、刀法からなる印を学んだ人からは奇妙な作品に映るとは思いますが、そうしたものとは別世界のものです。いずれ我流印が集まってきたら、展覧会でもやりたいと思っています。新作の印もそろそろ考えていかなければなりません。

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