「シュルレアリスム展」雑感

先日出かけた国立新美術館の「シュルレアリスム展」。開館の10時には多くの若者がいて驚きましたが、五美術大学卒業制作展を別の会場でやっていたので、この混雑が納得できました。それでも「シュルレアリスム展」にも大勢の人が見に来ていて、美的価値観の発展変遷を示すこうした展覧会が人々に受け入れられていることを嬉しく思いました。でもシュルレアリスムをA・ブルトンが提唱したのが1920年代。もう一世紀も経とうという現在では、シュルレアリスムは古典の部類に入るのかもしれません。現代ではコンピュータによるデジタル画像が氾濫し、シュルレアリスム的世界は日常の中に入り込んでいると言っても差し支えありません。この広範囲で長年続いたシュルレアリスムという活動は、その影響力を見ても計り知れないものを感じます。展示会場に並んでいる絵画やオブジェは、もう新しい価値を認知されているものばかりで、今となっては斬新さはありませんが、それでも名作は名作なりの説得力と表現力をもっていると感じました。注目した何点かの絵画やオブジェや映像がありました。それはまた機会を改めます。

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