Archives for the Month of 1月, 2011

「保田春彦展」錆鉄の柱に再会

タイトルに錆鉄の柱と書きましたが、本来の題名は「集落の跡 Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ」。3点1組の錆鉄による作品で、床から柱状に伸びた上部に幾何的な構成が施された作品です。自分はこの作品が大好きで、平塚市美術館をはじめ、さまざまな空間で […]

週末 窯出し 成形 加飾

今日は工房で制作の一日です。まず、朝は窯出し。この窯から出した作品で陶彫土台8個の全部が終了し、荒彫りの柱との調整を行います。調整はまた次回です。次に前週タタラにして置いてあった三角錐の成形。これは午前中いっぱいかかりま […]

3つの美術館と4つの展覧会

久しぶりに美術展三昧の日でした。付き合うなら一日に行く美術展はせいぜい3つまでと家内に言われているのですが、今日家内が胡弓の演奏に出かけたので、知り合いの美大生に声をかけました。そこで今日は美大生と3つの美術館と4つの展 […]

迷路の造形

迷路を俯瞰すると、その造形の面白さに我を忘れます。彷徨う心理を巧みに利用し、また演出することは高度な遊戯性をもった立体造形です。迷路は規則性と不規則性が織り成す宇宙で、そこに人は取り込まれてしまうのだと思います。都市にも […]

創作活動を考える

常軌を逸した精神状態が優れた芸術作品を生みだす可能性は大きいと思います。職人的な制作工程が必要とされる作品を作るならば、精神のバランスを失うと作品がまとめられなくなることもありますが、素材の扱いが比較的容易で、深い感情表 […]

ウイークディ夜の工房

仕事帰りに工房に立ち寄りました。夜になっていたので周囲は真っ暗でした。窯の出し入れがあったので、今晩の工房立ち寄りは予めわかっていたのです。作りかけの作品を夜の時間帯に眺めるのはいいものです。ひっそりとした中に黒い物体が […]

コトバのもつ曖昧と明快

日本人である自分は日本語で思考したり、感情を表現したりしています。単純な伝達ならば外国語でも可能ですが、感情の機微となると、外国語と母国語の間に温度差が生じます。日本語特有の表現に、日本的趣向や詩情が表れるのは自然なこと […]

通勤時間内の芸術学

公務員と彫刻家の二束の草鞋を履いているせいか、ゆっくりと本を読む時間がありません。通勤途中の僅かな時間の中で本を読んでいるので、同じ本をずっと鞄に携帯していて表紙が擦り切れています。帰宅すればRECORDを描いたりブログ […]

「構築~楼閣~」制作続く

7月に発表する新作「構築~楼閣~」の制作が佳境に入ろうとしています。大きな四角錘4つのうち最後のひとつを窯入れしました。小さな四角錘は全部で6つあり、最後のひとつの加飾が終わって、あとは乾燥を待って仕上げに入ります。それ […]

トラ吉の去勢手術

植木畑で鳴いていたトラ吉は、まだ手のひらに乗るような子猫でした。アトリエにしていた自宅の一室を片付けて飼うことになって、そろそろ1年が経とうとしています。春が来る前に去勢手術をした方がいいと知り合いからアドバイスを受けて […]

「作らない」と「作れない」

週末だけ彫刻制作をしている自分は、今は「作らない」も「作れない」もなく、ひたすら作り続けることのみです。二束の草鞋で制作時間が充分に確保できないので、流暢なことを言っていられないというのが本音です。毎日創作活動に埋没して […]

日常化したもの

職場に行く時は、朝5時半に起きて、背広を着てネクタイを締め、いつも同じ時間帯のバスや電車に乗ります。帰りの時間はまちまちですが、どんなに職場で右往左往したことがあっても、帰路の途中で気分も落ち着いて自宅に辿り着きます。日 […]

生活空間と制作空間

職場から帰宅してから工房に出かける時があります。当然夜になっていて、植木畑に建っている工房の周囲は真っ暗です。懐中電灯で前を照らしながら、大きくなった植木の合間を縫って工房に辿り着くのです。工房に入ると、やはり倉庫として […]

人体塑造からの転位 Ⅱ

先日のブログ「人体塑造からの転位」の続きです。現在自分の彫刻作品は、ロシア人画家カンディンスキーが提唱した非対象という意味で言えば非対象でも抽象でもありません。形態の基本となる要素を抽出している点では、確かに抽象化をして […]

「構築~楼閣~」について

今年7月の個展で発表する木彫と陶彫による作品の題名を「構築~楼閣~」にしました。「楼閣」とは高い構えの建物という意味です。現在制作中のこの作品は、昨年発表した「構築~瓦礫~」のように割れた球体をいくつも作って散在させるの […]

週末 来年の作品の成形

今日は風が強く寒い一日でした。工房の窓から畑の埃が舞い上がっているのが見えました。今日は7月に発表する新作の陶彫部品の加飾をやっていましたが、途中から来年の作品のイメージが頭を過って、先日作っておいたタタラで来年の新作を […]

週末 変わらない制作風景

今日は寒い一日で、工房は冷蔵庫の中にいるような按配です。窯はまだ300度あるので開けられず、窯出しと次の窯入れは明日になりそうです。今日は成形とタタラ作り。相変わらずの週末の制作風景ですが、午後思い立って近隣のスポーツク […]

人体塑造からの転位

立体の構造を理解し把握するために粘土による具象的なモチーフを作り始めたのは、自分が20歳になるかならないかの頃でした。それは自分が初めて彫刻という表現分野に足を踏み入れた時で、覚えているのは10代後半に小さな野菜を粘土で […]

窯出しと窯入れ

初窯入れを行ったのが月曜日で、今日炉内が100度台に下がっていたので窯を開けました。何とか成功していて、ホッと胸を撫で下ろしました。前のブログにも書きましたが、窯出しはどんな場合でも緊張します。理由は自分の作品といえども […]

非対象絵画探求への道

昨日に続いてロシア人画家カンディンスキーの辿った非対象絵画探求の道を考えます。それは近代から現代へ美術界で大きな価値転位が行われた事件と言えます。カンディンスキーの絵画にはよく宗教的な題名がつけられています。「カンディン […]

「芸術における精神的なもの」

1912年にロシア人画家カンディンスキーが著した「芸術における精神的なもの」は、2011年の現在からすれば100年も前に出版されたことになります。その中に「…容貌や身体の各部分が、芸術上の理由から置きかえられたり、デフォ […]

2011年初窯の日

三連休最終日です。今日は昨日と違い効率よく作業ができました。成形加飾した作品6点に仕上げや化粧掛けを行い、そのうち2点を窯に入れました。今年初めての窯入れです。2年前の夏に工房に築窯して、昨年1月に試運転を行いました。ち […]

三連休 作業進まず…

なかなか思う通りに作業は捗ってくれません。三連休でここまでやろうとしていた制作計画を見直さなければなりません。成形加飾が終わった陶彫部品の仕上げは、明日に持ち越しになりました。身体が思うように動かない分、RECORDのイ […]

三連休 二代目土錬機始動

初代土錬機は昨年暮れに業者に引き取ってもらい、レベルアップした二代目土錬機が同じ日にやってきました。陶土もクリスマスの時に益子から届いていたので、今日は二代目土錬機を始動しました。土錬機の構造は簡単なので、道具の良し悪し […]

カンディンスキーの初期絵画

非対象絵画の創始者として有名なロシア人画家カンディンスキーは、自分が最も注目している芸術家の一人です。カンディンスキー関連の展覧会は、時間や場所が許すならば必ず見に出かけています。最近では東京丸の内の美術館で開催していた […]

新しい落款を作る

RECORDの新シーズン、それから陶彫新作が出来つつある中で、新しい落款を作らねばならなくなりました。先日印材を買いに行って、いろいろな色の石材を選んできました。陶彫は集合体で見せるため、ひとつひとつの部品に番号を付けま […]

RECORD1月のテーマ

RECORDとは、ポストカード大の平面作品を一日1点ずつ作り上げていく総称です。自分に課して5年目を迎えています。10年続ければ3650点の作品が手許に残ります。1万点以上になるのに30年かかりますが、果たしてそこまで気 […]

2011年RECORDの方向性

2010年のRECORDは描写的な要素を取り入れた作品をやってきました。月々のテーマも具象絵画を喚起するものを選んでいました。ペンによる陰影表現は結構楽しんで出来ました。一方で技巧に流れて、ややもすると小手先の上滑りにな […]

休庁期間の終了

6日間の休庁期間でしたが、年末年始の用事が立て込んで、制作だけやっているわけにはいきませんでした。それでも今日は昨年暮れに中途半端にしていた小さな四角錘の加飾を行いました。これで小さな四角錘は4つ出来ました。乾燥すれば仕 […]

正月気分で過ごす一日

今日は母親宅に親戚が集まる日でした。普段会えない従兄弟たちや叔父と会うのは正月くらいなものです。夕方からは家内の方の親戚の集まりに出かけました。家内の親戚は奄美大島出身の人たちが多く、これも普段は会えない人たちです。親類 […]

2011年の抱負

2011年になりました。昨日遅くまで摺っていた木版画の年賀状が床に散乱しています。今日はこれの宛名印刷をしなければなりません。慌しかった2010年でしたが、今年になっても公務や創作活動の多忙さから解放されることはありませ […]