見守ってくれた両親へ…

高校2年生の終わり頃、自分は両親に大学でデザインを学びたいと願い出ました。美術の中でも手堅い職業選択ができる工業デザインを両親への説得材料にして、週末はデザイン科受験のための予備校に通わせてもらうことになりました。両親は快く自分の思いを聞いてくれましたが、自分がやがて彫刻に転向したいと言った時は狐につままれたような顔をしていました。もうその時は1年近くも予備校に授業料を払っていたので、受験を止めさせるわけにもいかず、結局既成事実を作った上での事後承諾になり、自分は彫刻科へ向けて走り出していました。大学で彫刻を学んでいた自分に、両親は将来に対する文句は一言も言わず、ずっと見守り続けていてくれたのでした。初めの頃は、何も言われないことで心が救われましたが、逆に甘えも生じていました。何とかしなければと思っていたのは両親よりも自分自身の方でした。でも将来の設計が描けない自分に、大好きな彫刻に打ち込めば打ち込むほど鬱々とした不安が残りました。あの頃を思い出すたび、どうしたら彫刻を続けられるのか、どうしたら自立した生活ができるようになるのか、甘えと弱さに苛まれる自分が見えてきます。これは30年も前のことには到底思えず、つい最近のように感じていることのひとつです。

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