「バウハウス・キッチン」展

戦前、ドイツで誕生したバウハウス。全ての造形活動は最終的に建築に統括されるという理念を持った教育施設です。いわゆる美術学校とは路線の違う学校だったようで、大量生産を目的としたモダンデザインを考案し、近現代に即した生活のあり方を提案しました。先日、東京新橋のパナソニック電工が運営する汐留ミュージアムで「バウハウス・キッチン」という企画展が開催されていたので見てきました。家庭生活における女性の労働を少しでも改善しようと、さまざまな台所用品が発明されて、機能美を追究した作品が展示されていました。当時のバウハウスの工房がデザインしたキッチンが展覧会場に再現されていました。今でこそ何でもない収納棚や水周りが、バウハウスの時代に始まっていたと思うと、バウハウスの果たした役割はすごいものがあるように思えます。現在にも受け継がれている機能美は、ドイツ国民のもつ理知的な合理性と相まって普遍なるものを感じさせてくれました。

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