ドガの彫刻試作
2010年 11月 9日 火曜日
現在、横浜美術館で開催されている「ドガ展」には、デッサンや絵画の他に彫刻が出品されています。ドガは彫刻技法の中の塑造という可塑性のある素材を用いた立体造形をやっているのです。絵画と違って人の目に触れることの無かった塑造。これはドガ自身も発表する気がなかったようですが、この塑造がなかなか面白くて、ロダンを髣髴とさせるような造形感覚があるのです。ドガは絵を描くための形態把握として、踊り子や馬のさまざまなポーズを塑造にしているわけですが、大雑把に捉えた量感には彫刻家の習作と似たものがあって、自分は大変親近感をもつのです。それにしても上手いものだなぁと感心してしまいます。アトリエに残ったいくつかの彫刻を鋳造して、現在に伝えられ生き延びてきた作品群は、画家の試作とは思えないほど雄弁な表現であると改めて感じた次第です。
関連する投稿
- 再開した展覧会を巡り歩いた一日 コロナ渦の中、東京都で緊急事態宣言が出され、先月までは多くの美術館が休館をしておりました。緊急事態宣言は6月も延長されていますが、美術館が漸く再開し、見たかった展覧会をチェックすることが出来ました。 […]
- 夏季休暇 美術館巡り 今日と明日の2日間夏季休暇を取っています。先週の2日間の夏季休暇は菩提寺の墓参りと長野県麻績にいる彫刻家池田宗弘先生宅にお邪魔して2日間を過ごしました。今回の夏季休暇の予定では、今日は都心の美術館巡 […]
- 「美術にぶるっ!日本近代美術の100年」展 東京竹橋にある国立近代美術館全館を使って大がかりな展覧会が開催されています。「美術にぶるっ!」というキャッチコピーが目にとまったので見てきました。いわゆる所蔵作品を選抜した展示で、学芸員の企画力と頑 […]
- 横浜の「ドガ展」 昨日出かけた横浜美術館は、日本各地から集まった警察官に囲まれた厳戒態勢の中にありました。APECが横浜のみなとみらい地区で開催されているためです。それはさておき横浜美術館の「ドガ展」は、素描の楽しさ […]
- 週末 久しぶりの美術館巡り 作品の制作工程が厳しい中、3月になって初の美術館巡りをしました。東京に出かけていくのは久しぶりでした。ギャラリーせいほうにも立ち寄って7月個展の打ち合わせを行いました。まず最初に訪れたのは東京上野の […]
Tags: 作品, 制作, 展覧会, 彫刻, 画家, 芸術家
The entry 'ドガの彫刻試作' was posted
on 11月 9th, 2010
and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.