自分の中のシュルレアリスム

瀧口修造全集(みすず書房)をじっくり読んでいるおかげで、シュルレアリスムについて考えることが多くなりました。自分が学生時代から認識していた美術の範疇に限ったシュルレアリスムより、さらに今は広義な意味でのシュルレアリスムに接することが出来ています。今までいろいろな展覧会を観てきたし、その類の書籍にも目を通してきたつもりでも、20代のの頃に既にシュルレアリスムの先入観が出来上がっていたことを、今は恥じるばかりです。あの当時、シュルレアリスムは古いと言っていた自分は、薄っぺらな受け売りの知識しか持ち合わせていなかったのです。現在のシュルレアリスムがどうかと言っているのはなく、自分の中にある美術史を改めて再構築することで、現代美術に受け継がれる美意識の変革を深く知り、振り返ってシュルレアリスムの役割や位置関係をはっきりしておきたいと今は思っています。ずっと避けてきたアンドレ・ブルトンの著作を最近になって読み始めました。理論が古い新しいではなく、生き生きとした生命の本質を探ろうとした思索の足跡を辿り、そこから改めて導き出されるモノを、自分は掴み取りたいと願っているのです。

関連する投稿

  • 創作一本になった4月を振り返る 今日は4月の最終日なので、今月の制作を振り返ってみたいと思います。今月の大きな出来事は、長年続いた教職公務員との二足の草鞋生活にピリオドを打って、創作活動一本になったことです。これは自分の生涯の転機 […]
  • 週末 2月を振り返って… 今日で2月が終わります。週末で朝から工房に籠りましたが、今日の制作状況と併せて今月を振り返ってみたいと思います。今日は陶彫成形を1点、彫り込み加飾も行いました。晴天で梅の花が青空に映える一日でしたが […]
  • 創作一本の4月制作目標 基本的に毎日制作が可能な4月からの制作目標を、例年の慣習に従って立てていきたいと思います。毎日制作できるとなれば陶彫部品を集合させる新作は完成できるのではないかと思っています。今年7月に開催するギャ […]
  • 週末 1月を振り返って… 1月最終日になり、今月を振り返ってみたいと思います。今月創作活動がやれる期間として、まず正月の休庁期間が5日間ありました。その5日間を含めて週末のほとんどすべてを、新作の厚板材による土台作りに費やし […]
  • 2月 寒さが身に沁みる 2月になりました。相変わらず寒い日が続いています。最近、寒さが身に沁みるのは実際の気温だけではなく、私自身があと2ヶ月で退職を迎えることもあるからです。残された仕事はしっかり片付けておこうと思いつつ […]

Comments are closed.