Archives for the Month of 11月, 2010

「少女が見た湖の夢」M・エルンスト

横浜美術館は自分の地元にある施設なので頻繁に訪れます。主に企画展が目的ですが、常設にも注目すべき作品が多く、常設展示会場にもよく足を運びます。自分の憧れる彫刻家イサム・ノグチの他にシュルレアリスム絵画や彫刻のコレクション […]

詩画混在のJ・ミロ

象形文字のように単純化された形態をもつジョアン・ミロの絵画には、日本の前衛書道に共通する余白のセンスがあります。余白は空間であり、そこに平面でありながら立体としての空間を感じるのは私だけでしょうか。ミロには具体的なモティ […]

週末 三角錐の成形

今日は新作のパーツの一部になる三角錐の成形を行いました。三角錐は昨日まで作っていた大きな四角錘より小さめです。天辺が破損されたように作っています。この部品は加飾に凝るつもりです。同じ陶彫部品といえども新しい矩形になると問 […]

週末 四角錘4点乾燥待ち

週末となれば、毎回工房に出かけて作業しています。いわばブログは週末ごとの制作記録になっていて、これは人に読んでいただくというより、自分のためのメモになってしまっています。昨年のアーカイブを見ると、新作の制作状況がわかって […]

管理職組合の集会

自分が一般職員だった頃に、労働条件の改善を目指して組合活動を積極的にやっていた時期がありました。どちらかというとそういうことに疎い自分だったのですが、職場の雰囲気でメーデーに参加してデモ行進もしました。今は管理職になって […]

「普通の生活」という幸福

最近の世知辛い国際情勢を見ていると、現在自分が何の心配事もなく送っている生活が、とても幸福に思えてきます。「普通の生活」という当たり前が、当たり前にならなくなっている世の中です。いつ何があってもおかしくないという感覚にし […]

時事問題に注目

昨日、北朝鮮が韓国の大延坪島を砲撃した事件がありました。その事件発生の午後2時半から3時半頃、自分はちょうど工房にいて窯入れをしていました。工房を出て自宅に戻り、何となくテレビを見ていて、この事件を知りました。職場でも危 […]

「構築~解放~」修復準備

毎年恒例になった東京銀座での7月の個展に、来年は「構築~解放~」を出品しようと思っています。それに現在制作中の陶彫と木彫による新作を加えます。ところが「構築~解放~」の柱の1本が破損して、その修復をしなければならないので […]

対象から非対象へ

今月のRECORDは「崩れる」というテーマでやっています。欠損したモノの空間的な美しさを求めたいという意図からこのテーマにしたわけで、当初は日本古来からある「滅びの美学」が念頭にありました。ただ、「崩れる」や「壊れる」は […]

週末 リズムに隠れた疲労

このところ週末は好調に作業が進んでいますが、今日は何となく疲れているような気がしています。それでも四角錘4点目の成形を行いました。工房の寒さが気になりだしたので、灯油の準備もしました。でも身体が重くて動きが今ひとつです。 […]

週末 成形・焼成の継続

週末は陶彫作りのリズムの中にあると言っても過言ではありません。新作の陶彫部品を次から次へと作り出す雰囲気が生まれています。現在のところ良い状態で作業が進んでいます。今日は陶彫土台4点目の窯出し、大きな四角錘4点目のタタラ […]

思考を辿るデッサン

大学受験のためにデッサンに明け暮れていた時は、デッサンはもう充分と思っていました。大学では彫刻を作るための準備としてデッサンを行うことが多く、受験時代のようにデッサンが目的になることはなかったのです。ところが今はデッサン […]

二束の草鞋を履いて…

自分がやりたい仕事と経済的自立が一致すれば、それは幸運な人生だと思います。自分もそうでありたいと望んでいたのですが、自分のやりたい創作活動では生活が出来ないことはわかっていました。彫刻家という職業を選ぶこと事態、生活設計 […]

創作活動に対する思い

昨日の続きのようなブログです。大学で彫刻を学び、おまけに海外の美術学校に5年間籍を置いていた自分は、結局30歳を過ぎてから日本での就職活動に入りました。今でこそ就職活動する年齢はさまざまですが、当時は学校を出れば就職をす […]

見守ってくれた両親へ…

高校2年生の終わり頃、自分は両親に大学でデザインを学びたいと願い出ました。美術の中でも手堅い職業選択ができる工業デザインを両親への説得材料にして、週末はデザイン科受験のための予備校に通わせてもらうことになりました。両親は […]

イメージの展開

イメージはトレーニングによってある程度鍛えられて展開力が身につくと思っています。毎日RECORDと称し、ポストカード大の平面作品を作っていますが、毎日のことなので作品が緩慢になったと反省しつつ、それでもイメージが湧いてく […]

週末 制作のリズム

今日も工房に行って制作をしました。大きな四角錘3点目の成形と陶彫土台の窯入れです。陶彫土台も3点目の焼成になります。やっと制作のリズムが出来てきました。次から次へ作業を進めていくリズムです。陶彫は新作ごとに作るカタチが異 […]

週末 工房に流れる空気

毎週土曜日と日曜日は工房に来て制作をやっています。ほぼ毎回同じ時間に工房のカーテンを開け、FMラジオをつけて、陶土をいじり始めます。流れる空気を感じながら作業に入りますが、こうしている時間が実は一番幸せを感じる時間です。 […]

窯出しの緊張感

陶による表現は、最終段階でそれまで手塩にかけてきた作品を窯に入れて高温で焼く工程があります。土練りを丹念に行うのも、タタラや紐作り、またはロクロを回して成形するのも、全てこの最終段階でいかに自分の意図するものにできるかを […]

自分の中のバウハウス

今月4日のブログのタイトルが「自分の中のシュルレアリスム」。今日はバウハウスです。自分はバウハウスに特別な思い入れがあります。ドイツが生んだ画期的な造形教育施設だったバウハウスは、ナチスの弾圧を受け、その理念は米国に受け […]

「バウハウス・キッチン」展

戦前、ドイツで誕生したバウハウス。全ての造形活動は最終的に建築に統括されるという理念を持った教育施設です。いわゆる美術学校とは路線の違う学校だったようで、大量生産を目的としたモダンデザインを考案し、近現代に即した生活のあ […]

ドガの彫刻試作

現在、横浜美術館で開催されている「ドガ展」には、デッサンや絵画の他に彫刻が出品されています。ドガは彫刻技法の中の塑造という可塑性のある素材を用いた立体造形をやっているのです。絵画と違って人の目に触れることの無かった塑造。 […]

横浜の「ドガ展」

昨日出かけた横浜美術館は、日本各地から集まった警察官に囲まれた厳戒態勢の中にありました。APECが横浜のみなとみらい地区で開催されているためです。それはさておき横浜美術館の「ドガ展」は、素描の楽しさを満喫できる内容で、パ […]

週末 窯入れ&展覧会巡り

昨日の続きで朝から工房に行って窯入れしてきました。これで万事休す。あとは火の神様任せです。そこで今日は時間が出来たので、展覧会巡りをすることにしました。まずAPEC厳戒態勢真っ只中のみなとみらい地区へ。横浜美術館の「ドガ […]

週末 窯入れの準備

いよいよ今週末に新作の窯入れを行います。今日は朝からその準備に追われました。まず陶彫土台8点のうち初めの1点目を小品と一緒に窯入れしようと思っています。自分の陶彫作品は、指の痕跡を消すため乾燥後にヤスリをかけます。これが […]

M・エルンストに纏わる話

ドイツのシュルレアリスムの画家であるマックス・エルンストは、自分の好きな画家の一人です。エルンストは、幼い頃はしかにかかって熱にうなされ、彼が寝ていた天井の羽目板の木目が目玉に見えたり、鳥の頭に見えたりしたことを覚えてい […]

自分の中のシュルレアリスム

瀧口修造全集(みすず書房)をじっくり読んでいるおかげで、シュルレアリスムについて考えることが多くなりました。自分が学生時代から認識していた美術の範疇に限ったシュルレアリスムより、さらに今は広義な意味でのシュルレアリスムに […]

文化の日 制作三昧

今日は休日で、久しぶりに丸一日制作に使えました。工房に籠もりきりで、大きな四角錘2点目の成形を行いました。1点目に比べれば、制作の段取りに慣れて多少余裕が持てました。加飾にも入りましたが、もう少し時間をおこうと考え、途中 […]

11月RECORDは「崩れる」

今月のRECORDのテーマは「崩れる」にしました。陶彫では自分がよく取り組むテーマで、完璧に出来上がったものより、どこかが欠如しているものの方が空間的な広がりを感じさせるように思えるからです。左右対称のように見えて、左右 […]

11月目標 成形から窯入れへ

昨年の11月1日のブログを読むと、工房が完成し、初めて工房で陶彫に取り組むことが出来た喜びを書いています。この日は記念すべき一日として記憶に留めたいとも言っています。昨年に比べれば、今年は既に成形が数点出来ていて、新作の […]