骨にまつわること
2010年 10月 26日 火曜日
今月のRECORDは「吊るす」というテーマでやっています。20日から今日までの5日間は、骨が吊るされているイメージをモノクロの作品にしてやっています。骨は人骨で、自分が滞欧中に購入した解剖学の書籍を参考にしています。今は本ものの人骨を見ながらデッサンできる環境がないため、図版を見ながら描いているのです。自分はもうかれこれ30年近く前にヨーロッパに出かけ、オーストリアのウィーン国立美術アカデミーに在学していました。アカデミーでは解剖学の講義があって、解体された人体をデッサンしたことが思い出されます。そのデッサンノートは今も手許に残っています。解剖学の書籍は、その当時購入したもので、単位を取得するためにドイツ語の辞書を片手に勉強していたのでした。それはところどころ自分が学んだ形跡が見られる分厚い本ですが、今はもうすっかりドイツ語が出来なくなって、解読するもどかしさを感じてしまいます。現在は余裕のない生活の中で、図版だけを頼りにRECORDをまとめてしまう自分ですが、骨の機能的な美しさを感じる絵心だけは忘れていないようです。
関連する投稿
- 若かりし頃の貧乏旅行 「保田龍門・保田春彦 […]
- ウィーンからの懐かしいメール 1980年から85年となれば、今を遡ること30年前になります。オーストリアの首都ウィーンは地下鉄の交通網がシュタットバーン(市街電車)に取って代わろうとしていました。そんな頃に自分は市街から遠い10 […]
- 「言語都市・ベルリン」を読み始める 「言語都市・ベルリン」(和田博文・真銅正宏・西村将洋・宮内淳子・和田佳子共著 […]
- 散策から学ぶこと 先日ドイツから届いた電子メール。それで思い出したことが数々あります。ドイツに住んでいる先輩も当時が懐かしいと言っていますが、自分も同感です。先輩夫妻が来る前から自分は単身でオーストリアにいて、慣れな […]
- ドイツ在住の旧友来たる 自分は20代の頃、オーストリアの首都ウィーンに住んでいました。同地の国立美術アカデミーに通って、最初は版画科に、次に塑造科に移ってレリーフを学んでいました。今思えば素晴らしい環境に身を置いていたこと […]
Tags: RECORD, ウィーン, ドイツ, 留学
The entry '骨にまつわること' was posted
on 10月 26th, 2010
and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.