甲虫類のような立体造形
2010年 10月 21日 木曜日
陶彫による立体作品が昆虫、なかでも甲虫類の雰囲気がすると、個展に来ていただいた人から指摘されたことがあります。昨年発表した「発掘~赤壁~」や今年の「構築~瓦礫~」の曲面を多用した作品に、そうした生物的なイメージが見て取れるのだと思います。自分としては歓迎すべき感想で、非対象形態に生物的な動きを感じていただけたことは、大変嬉しいことです。もちろん昆虫を作っているわけではなく、動的なカタチを意図していることもありません。連なる曲面がそうした連想を生むのでしょう。この感想を聞いて、自分の中に昆虫の動きに注目してみようという意欲が沸き起こり、あえて甲虫類に近づいて、自然界の完成された美を堪能したいと思ったことも確かです。昨年の横浜開港150周年記念事業でフランスの「ラ・マシン」が上陸し、巨大な蜘蛛の立体造形が話題を呼びました。その節足の美しさ、形態の不思議さに感動を覚えました。自分の彫刻はやはり今後も非対象でいく計画なのですが、何とも形容のつかない甲虫類のような立体造形にしてみるのも楽しいかなと思うようになりました。
関連する投稿
- 2つの新作の同時進行 今年の個展で発表した「構築~瓦礫~」の発展したカタチは、来年の個展に発表する予定ですが、それはそれとして、さらに先をいく新作を考えているところです。今回は時間が許す範囲で来年と再来年の新作を同時に進 […]
- 6月の制作計画 6月になりました。梅雨の時季を迎えますが、じめじめして湿気の多い毎日は好きになれません。でもこの季節が陶芸には最適で、土がゆっくり乾燥するので、ひび割れが少ないのです。今月は来年に向けて新作を進める […]
- 来年に向けた新作の構想 まだ7月の個展が控えているのに、来年度に向けた新作を考え始めました。今年は「木・陶による構築シリーズ」の1回目の個展を企画しています。「構築~包囲~」「構築~瓦礫~」を発表する予定です。来年は「木・ […]
- 週末 陶彫の仕上げ 先日まで工房にストーブが欠かせなかったのですが、季節は変わるものです。本当に過ごしやすくなりました。春が香る日曜日です。亡父の残してくれた植木畑にも様々な花が咲いています。工房では、新作「構築~瓦礫 […]
- 造形の素材変換 かつて木彫によるテーブル彫刻「構築~包囲~」と「構築~解放~」を作りました。サークル状の厚板を複数の細い柱で支える構造で、量というよりは線と面で構成される軽やかな作品として作ったつもりです。この作品 […]
Tags: イメージ, カタチ, 作品, 個展, 彫刻, 陶彫
The entry '甲虫類のような立体造形' was posted
on 10月 21st, 2010
and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.