岡崎和郎展 補遺の庭

先日、鎌倉にある神奈川県近代美術館で開催中の表題の展覧会を見てきました。「補遺の庭」とは何か、加えてモノクロのキューピーの写真が大写しになったポスターが不思議な雰囲気を出していて、とても気になっていた展覧会でした。岡崎和郎は瀧口修造の評論を通して知り得た造形作家です。美術との関わり合い方に魅かれて、一度作品を見てみたいと思っていたのです。補遺とは日常見慣れたモノの視点を変えることで、見る側の精神の欠落を補完する作業を指して名付けているようです。なるほど日用品の材質が変わったり、見方を変えることで、心の中に不思議な神秘が生まれることを、美術館という空間を通して感じることができました。狐につままれたようでいて、わかりやすい作品がそこにありました。

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