「鴨居玲 終わらない旅」展
2010年 8月 3日 火曜日
画家鴨居玲、享年57歳。先日横浜のデパートで開催されていた「鴨居玲 終わらない旅」と題された展覧会を訪れた印象は、画布に己を塗りこめた壮絶な画風で観る人を圧倒するといったものでした。57歳と言えば働き盛りで、画家としてはこれからさらに邁進できると言っても過言ではありません。鴨居は若いときから己と格闘し、自身が納得のいく表現を打ち立てたと思ったら、あまりにも短い創作生活に自ら幕を引いてしまった画家でした。鴨居は海外に滞在し、そこに住まう人々をテーマに取り上げながら、常に自画像が投影されて、自分の内面を絵画によって見つめ続けた画家でした。自分はそんな独特な人物表現のみならず、鴨居の描く教会の空漠たる風景にも興味があります。傾いた塊となった教会。装飾もなくただ存在している建造物。孤独な中で確固たる主張を続ける表現世界が、自分の中に根を下ろしてしまったようです。
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Tags: 作品, 展覧会, 画家
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