昔の恩師からの手紙

表題の恩師と言うのは、度々ブログに書いている彫刻家池田先生のことではありません。もっと昔の恩師で、自分が中学校1年生の時の担任だった人です。美術科教諭だった彼女は、自分の泥臭い水彩画を褒めてくれました。何もわからない自分たちに授業の中で美術の心を語ってくれていたのを今でも思い出します。中学校を出てから、ひょんなことで造園業だった亡父と一緒に恩師宅の庭の手入れに伺ったことがありました。それでずっと自分のことを覚えてくださっていたのかもしれません。手紙では造園で伺った時に自分が話した海外留学のことが書かれていて、それを心に留めていてくださっていたこと、また自分が横浜市に就職して現在管理職になっていることも知っていて、風の便りがそんなところまで届いていることに驚きを隠せません。ただ、今の自分は彫刻家との二束の草鞋の生活をしていることは知らないらしく、手紙の返事を書く際に現在開催中の個展の図録を送ってみようと思っています。恩師は今90歳だそうで、いつまでもお変わりなく達者でいられることを願ってやみません。

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