箱宇宙に捧げられたコトバ
2010年 7月 7日 水曜日
アメリカ人アーティストのジョセフ・コーネルと詩人の高橋睦郎によるコラボレーションによる展覧会は、さまざまな角度から自分を刺激してくれました。そのひとつに造形作品に捧げられた詩人のコトバがあります。捧げられたというのは誤解を招くかもしれませんので、造形作品から発想を得て新たに創作された詩とでも言った方が相応しいと考えます。実はこの関わりが知りたくて、先日自分は千葉県佐倉市の「川村記念美術館」まで出かけていったようなものなのです。詩人高橋睦郎は以前も現代美術家とのコラボレーションをしていた記憶があります。コトバのひとつひとつを辿ると、詩人はコーネルの箱宇宙から与えられたイメージを基にコトバを紡ぎ出し、決してコーネルの作品に寄りかかることはなく、詩的世界を独自に創っているように思えました。さらに詩の内容もさることながら、詩が印字された紙が何とも気持ちがよくて、そのざらついた素材感は、コーネルの作品に相まって、素朴な風合いを生かしながら訥々と心に染み込んでくる感覚を持ちました。展示方法にも工夫が凝らされていて、これはまた機会を改めて述べていきたいと思います。
関連する投稿
- 「もの派」を考える
素材に何も手を加えず、ギャラリーの空間に放置する展示方法を自分はどのように考えるか、現代に至る造形思想史を辿れば、「もの派」の登場した背景がわかりますが、これを美術に関心の薄い人々はどう見るのでしょうか。もっとも私の非対... - 詩的言語による作品分析
通勤電車の中で読んでいるA・ブルトン著「シュルレアリスムと絵画」(人文書院)に収められているマルセル・デュシャンの作り出したガラス絵「花嫁は彼女の独身者たちによって裸にされて、さえも」に関する分析は、造形美術に対する価値... - 「少女が見た湖の夢」M・エルンスト
横浜美術館は自分の地元にある施設なので頻繁に訪れます。主に企画展が目的ですが、常設にも注目すべき作品が多く、常設展示会場にもよく足を運びます。自分の憧れる彫刻家イサム・ノグチの他にシュルレアリスム絵画や彫刻のコレクション... - 東京の「保田春彦展」
先日見に行った東京の京橋にある南天子画廊での「保田春彦展」は、自分の胸中に深く重い印象を残す内容でした。作家が懸命に造形活動に向かう姿勢には、頭が下がる思いです。自分も「老い」を感じ始めたら、こうでありたいと強く望むよう... - 作品展示の演出
彫刻を学んでいた学生時代には、作品のクオリティを高めることに精を出していて、作品がどこに展示されるかは念頭にありませんでした。作品を人に見せることを考えていなかった時代です。これはこれでよかったと今では思っています。演出...
Tags: イメージ, コトバ, 作品, 展覧会, 芸術家
The entry '箱宇宙に捧げられたコトバ' was posted
on 7月 7th, 2010
and last modified on 7月 7th, 2010 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.