J・コーネル「箱宇宙を讃えて」展

ジョセフ・コーネルは小箱の中に自分の思いを込めたものを詰め込んで、その小宇宙を表現媒体にしたアメリカ人アーティストです。コラージュがマックス・エルンストらによって考案されたのを契機に、従来の描く行為や彫る行為だけが美術ではなくなり、既製品による表現世界が登場してきます。自分が収集したものが別の要素をもちはじめ、それが自分の中でメロディを奏でるようになったのです。そこに不協和音もあることでしょう。既製品だったモノが単なるモノになって、まるで関連が無いモノと出会い、まったく異質な世界が生まれる、これがシュルレアリスムの始まりと言っても差し支えありません。千葉県佐倉市の「川村記念美術館」で開催されているジョセフ・コーネルの個展は、そんなコーネル自身が収集したモノが詰まった小箱を覗き込んで、コーネルが表現したかった超現実なる世界を味わう絶好の機会です。コーネルは囁くような声で語りかけていて、その内的で深遠な世界をもって、作者が稀な造形詩人であったことを証明するに足る力量をひしひしと感じることが出来るのです。

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