「彫刻と写真」より抜粋
2010年 6月 30日 水曜日
「彫刻のマッスを光源を動かしてみるというような動的な角度は、近代彫刻の表現と鑑賞から切りはなすことができないし、古典彫刻の場合には再発見となる。こうした微妙な光と角度の発見は、実に写真によってこそ定着されるのだといっても過言ではあるまい。写真の表現は、厳密にいって彫刻の表現ではない。小さな量塊を拡大すれば、量感はたしかに誇張されて実物の表現とはかなり異なったものになる。しかしそのことによって、肉眼ではほとんど気付かれなかったが、しかしその彫刻に存在していた表現が発見されることがある。また人工光線による強調なども、実際にわれわれが室内の自然光線では感じられないようなモドレや刀法が、写真でまざまざと示されることがある。質感の美しさなども逆説的に写真によって教えられることが少なくない。」(瀧口修造全集6 みすず書房)いささか長い引用になってしまいましたが、これを読んで自分の彫刻作品をカメラマンに撮影していただいた時の画像に対する感動が甦りました。まさに彫刻を撮影する醍醐味を伝える一文だと思います。自分の勝手な思い込みかもしれませんが、懇意にしているカメラマンが自分の作品を撮影している時には目が輝いていると感じます。正直に楽しいと言ってもらえることに自分は喜びを覚えます。今日はそんなことを思い起こさせる評論に出会うことができました。
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