青木ヶ原樹海を歩く

富士山の麓に広がる青木ヶ原樹海。鳴沢村にある宿泊施設からインストラクターの誘導で樹海に入り、環境保全の研修を積みました。溶岩台地に広がるヒノキやモミ、ナラ等の木々の間を歩き回りました。鬱蒼とした緑に囲まれていると、美的なイメージに繋がるものがあらゆるところに潜んでいて、楽しい気分になりました。溶岩流に見舞われていない太古の森では、巨木に宿る不思議な生命を感じ取り、大地から湧き上がった樹木にポッカリ空いた穴や空洞が、彫刻的な造形を感じさせてくれました。しかしながら人が作るモノは何と頼りなく貧しいものか、自然の中にいるとそんなころまで思い描いてしまいます。そこかしこにある洞窟もまた然りです。大地の内側にスッポリ入り、光の無い世界に触れると、視界とは一体何なのか、脳が感じとる存在の意味を考える機会を与えられたように思いました。視界に関する自分なりの考察は次の機会にするとして、今日は歩いて立ち止まり、そして感じて思い描く貴重な一日になりました。

関連する投稿

  • 上野の「国宝 鳥獣戯画のすべて」展 緊急事態宣言が東京に出された時は、上野の東京国立博物館で開催中だった「国宝 […]
  • 新作完成の5月を振り返る 今日で5月が終わります。今月は個展図録用の写真撮影が昨日あったために、これに間に合わせるために夢中になって制作に明け暮れた1ヶ月だったと言えます。31日間のうち工房に行かなかった日は2日だけで、29 […]
  • 再開した展覧会を巡り歩いた一日 コロナ渦の中、東京都で緊急事態宣言が出され、先月までは多くの美術館が休館をしておりました。緊急事態宣言は6月も延長されていますが、美術館が漸く再開し、見たかった展覧会をチェックすることが出来ました。 […]
  • 厚板下書き&バラ園散策 中規模の新作は今日から作り始めました。過去幾度となく私が作ってきたテーブル彫刻になりますが、今回の新作では陶彫部品を接合せず、木材のみで作ります。厚板を4本の柱で支える構造ですが、厚板には文様化した […]
  • 週末 BankARTの「山本愛子展」 週末になりました。昨日から取り掛かっているテーブル彫刻制作を継続しています。今日の午前中はテーブル部分の文様の刳り貫き作業を開始しました。昨日描いた下書きをさらに煮詰めて、刳り貫く部分と残す部分を決 […]

Comments are closed.