歯車のRECORD

20代の滞欧時代に作った自分の初期の版画に、車輪のような歯車のようなイメージを描きました。具象彫刻をやっていた自分が初めて抽象を意識した作品で、版下は捨てられずそのまま日本に持ち帰ってきました。まだ陶芸が出来なかった帰国後の生活の中で、やはり歯車をモチーフにした油絵を描いていました。陶彫が出来るようになっても度々車輪や歯車のイメージが登場し、レリーフにしています。RECORDを始めた3年前も、初めは歯車でした。歯車が噛み合うような噛み合わないようなもどかしいイメージが好きなのかもしれません。組織はひとつひとつの歯車で回り、噛み合わないそれぞれの個性や癖を、お互い認め合いながらも大人の理性や心情でもって何とか噛み合わせて、目の前の課題を全うしていくのが今の自分の調整役としての仕事なのです。そんな繋がりを日常生活の中で見出せるので、やはり今回のRECORDも、歯車に戻ってきました。そうした関係性が自分の創作のテーマになっていると考えています。

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