横須賀の「ワンダーシニア30展」

先日、横須賀美術館に行って表記の展覧会を観て来ました。「ワンダーシニア30展」というのは、60歳代から70歳代の日本の洋画家32人による旧作と新作を並べた展覧会のことで、日本の高度成長の中で画家としてデビューし、現在まで歩んできたそれぞれの画家の軌跡を辿ることができます。大きく作風が変わった人もいれば、同じ作風で深化を遂げてきた人もいました。いわば現代日本絵画を支えてきたパワーを窺い知ることができるのです。美術館の真っ白な空間の中で、十人十色の主張を続ける世界は、なかなか圧巻で元気をもらうことができました。この日は好天に恵まれ、美術館屋上から青い海が見え、最高のロケーションの中で、こうした展覧会を鑑賞できるのはとても幸せなことと思います。出来るなら立体作品でもこんな企画が欲しいところです。美術館の庭では故若林奮先生の大きな鉄の作品が潮風に吹かれていました。

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