「余白に書く」を読む
2010年 3月 4日 木曜日
表題の「余白に書く」というのは、「瀧口修造全集Ⅳ」の副題です。「余白に書く」とはどういうことだろうと思って読み始めました。「余白に書く」とは展覧会や公演に寄せた文章であることがわかり、その夥しい数の文章が「瀧口修造全集Ⅳ」と「瀧口修造全集Ⅴ」にまとめて収められていることも知りました。短文あり、やや長文もあり、詩作として捧げたものまで瀧口修造の多義にわたる才能を感じます。紹介されている作品を、実際に見ていなくても、その洞察の深さによって、それがどのような意図で作られたものかを窺い知ることができ、また興味が湧き出てきます。作品に味を添える、またはそこからエスプリのあるコトバで作品に位置を与えることが、つまり「余白に書く」ということでしょうか。大上段に構えた論評ではなく、さりげないコトバで鑑賞者を惹きつけている余白に感銘を受けるのは、決して私だけではないと思います。
関連する投稿
- 若林奮「Dog Field」展
多摩美術大学美術館で開催されている故若林奮先生の「Dog Field」展は、彫刻数点と多くのドローイングによって構成された個展です。自分は昔から若林先生の個展であれば必ず見に行っていました。若林先生を「先生」と呼ぶのは、... - 鑑賞から生まれるコトバ
「瀧口修造全集Ⅴ」(みすず書房)には、作家の個展や出版等に寄せる滝口の文章が掲載されています。それは通常の美術評論として書かれたものや、作品鑑賞から生まれ出た詩的なコトバも数多くあります。そうしたコトバは、実際の展覧会を... - みやさんの「ユーラシア無限軌道」
表題の本は紀行作家みやこうせいさんが書いたもので、詩人のまどみちおさんとみやさんが東京青山のギャラリーで2人展を開催していた時に購入しました。「名前なんてつまらないサインはやめて、サインではないサインを」と無礼な要求をし... - 雛型の展示で思うこと
立体作品の展覧会に行くと、初めは大きな作品に目が奪われますが、じっくり見ていくうちにガラスケースに入った雛型に注目が移ります。雛型にはいろいろな謎が隠されていて、ひとつひとつ想像しながら鑑賞することはこの上ない楽しみなの... - 作品展示の演出
彫刻を学んでいた学生時代には、作品のクオリティを高めることに精を出していて、作品がどこに展示されるかは念頭にありませんでした。作品を人に見せることを考えていなかった時代です。これはこれでよかったと今では思っています。演出...
Tags: コトバ, 展覧会, 書籍
The entry '「余白に書く」を読む' was posted
on 3月 4th, 2010
and last modified on 3月 5th, 2010 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.