ニーヴェルスンの黒い箱

20世紀アメリカで活躍した女流彫刻家ルイーズ・ニーヴェルスンをどこで知ったのかよく覚えていませんが、それほど昔ではないような気がします。自分が大学で彫刻を学んでいた頃、ギャラリーせいほうが「現代彫刻」という雑誌を発行していて、自分は定期購読をしていました。その雑誌にニーヴェルスンの作品が載っていて、それを見て衝撃を受けたことは今でもよく覚えています。あるいはその時が初めて見たのかもしれません。縁あってギャラリーせいほうで、ここ数年自分の個展を企画していただいています。ニーヴェルスンの実際の作品に出会ったのは、千葉県にある川村記念美術館に行った時です。それは黒い祭壇のようでもあり、棺が並んでいるようにも見えました。木の廃材を寄せ集め、それらを箱の中に押し詰めて、全体を黒で塗装する作風は、木材の材質感を別のものに変容させてしまいます。ニーヴェルスンの彫刻は異様な世界を創出し、その存在感は圧倒的です。自分の陶彫が黒を基調としているのもニーヴェルスンの影響があると思っています。自分の脳裏のどこかにニーヴェルスンの黒い箱が潜んでいるのです。

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