ニーヴェルスンの黒い箱
2010年 1月 21日 木曜日
20世紀アメリカで活躍した女流彫刻家ルイーズ・ニーヴェルスンをどこで知ったのかよく覚えていませんが、それほど昔ではないような気がします。自分が大学で彫刻を学んでいた頃、ギャラリーせいほうが「現代彫刻」という雑誌を発行していて、自分は定期購読をしていました。その雑誌にニーヴェルスンの作品が載っていて、それを見て衝撃を受けたことは今でもよく覚えています。あるいはその時が初めて見たのかもしれません。縁あってギャラリーせいほうで、ここ数年自分の個展を企画していただいています。ニーヴェルスンの実際の作品に出会ったのは、千葉県にある川村記念美術館に行った時です。それは黒い祭壇のようでもあり、棺が並んでいるようにも見えました。木の廃材を寄せ集め、それらを箱の中に押し詰めて、全体を黒で塗装する作風は、木材の材質感を別のものに変容させてしまいます。ニーヴェルスンの彫刻は異様な世界を創出し、その存在感は圧倒的です。自分の陶彫が黒を基調としているのもニーヴェルスンの影響があると思っています。自分の脳裏のどこかにニーヴェルスンの黒い箱が潜んでいるのです。
関連する投稿
- 辻晋堂の彫刻
八木一夫のオブジェ焼に関する書物を読むと、そこにちょいちょい辻晋堂という名が出てきます。彫刻家辻晋堂は亡くなられて随分経ちますが、ギャラリーせいほうで個展をやっていた作家でした。自分は学生時代に個展にお邪魔して数々の作品... - 夏気分を惜しみながら…
今日で8月が終わります。月が変わることに郷愁を感じるのは夏の特徴かもしれません。開放感あふれる夏だからこそ流行り歌にもなり、移ろう夏気分を惜しむ情景になるのだと感じます。今月の創作活動を省みると、とにかく暑い工房の中で滴... - 美術館&ギャラリー巡りの日
週末になり、ウィークディの仕事から気分を解放させるため、今日は美術館に出かけました。朝8時半に家を出て東京の六本木まで電車を乗り継いで行きました。国立新美術館で開催中の「シュルレアリスム展」は必ず行こうと決めていた企画展... - 土練りのあと美術館へ…
成形に使う陶土がなくなり土練りをしました。陶彫は土を単身ではなく複数の土を混ぜて使っているのです。近々新しい土錬機が来るので、今使っている土錬機最後の仕事かもしれません。自分と懇意にしている陶芸業者から連絡があって、いい... - 若林奮「Dog Field」展
多摩美術大学美術館で開催されている故若林奮先生の「Dog Field」展は、彫刻数点と多くのドローイングによって構成された個展です。自分は昔から若林先生の個展であれば必ず見に行っていました。若林先生を「先生」と呼ぶのは、...
Tags: 展覧会, 彫刻, 書籍, 芸術家, 陶彫
The entry 'ニーヴェルスンの黒い箱' was posted
on 1月 21st, 2010
and last modified on 1月 30th, 2010 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.