師匠からの電話

年の瀬になると、長野県に住む彫刻家池田宗弘先生に日本酒を贈っています。先日お礼を兼ねて電話をいただきました。一年一升の酒を楽しみに毎日制作をしているとのこと、こちらまで嬉しくなりました。長野県の聖高原はさぞや寒かろうと思います。積雪があって野外での彫刻制作は難しいという話をしていました。池田先生は真鍮直付けという方法でキリスト教をテーマにした彫刻を作っています。かつてスペイン・サンティアゴ巡礼路を歩いて、彼の地でキリスト教美術に触れ、それが現在の制作の中心になっているようです。冬場は野外で彫刻が作れないので、工房内にキリスト教の祭壇を作る計画があって、現在は室内の祭壇制作中だとおっしゃっていました。なにしろ数年前に奥様が他界されて、今は先生お一人で山の中の工房に住んでおられます。スペインの修道院を模した工房「エルミタ」は堅牢な作りになっていますが、山の寒さは相当なものではないかと想像します。周囲に人家はありません。この時季訪ねたくても、それなりの車と装備がなければ行くことができません。毎年酒を贈っているのは、お歳暮という儀礼のためではなく、先生の精神生活の癒しになればという思いからくるものです。

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