夜明け前のひと時

朝晩めっきり冷え込んで出勤する午前6時は夜がまだ明けていません。自宅の近くにある停留所でバスを待っている時は、かなり寒さが応えます。これから一日の勤務が始まると思うと、心なしか気が重くなりますが、このバスを待つ数分の間に、ふと思いつくイメージがあります。朝から頭が回らない筈が、何気なく思うこのひと時が、案外的を得ているような考えが浮かぶのです。立って本を読む気になれず、道の反対側にあるマンションや閉じた店の暗いウィンドウを眺めながら、時に寒い風に吹かれ、雨に降られながらバスを待つひと時です。一日のうちで一番意気消沈する時間かもしれません。月曜日はなおさら意気は上がりません。それでもこのひと時に何かを思いつけば貴重な時間となります。決まった時間の流れに身を任せるような日常ですが、自分の中で常に造形的なイメージを探しているのであれば、時と場所を選ばず、イメージの方から自分に向ってやってきてくれることだってあると思います。いつだったか夜明け前のひと時にそんな心的体験をしたことがあるのです。

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