横浜の「大乱歩展」

横浜の「港の見える丘公園」にある県立近代文学館で、江戸川乱歩の展覧会を開催しているので見てきました。美術展と違い、原稿やら書籍の頁をめくったところをガラスケースに入れて展示する文筆家の展覧会は、自分にはちょっと躊躇するところがあって行かないこともありましたが、ミステリーや怪奇小説を扱った江戸川乱歩のことなので、面白そうだと思って出かけてみたのです。晩年の「少年探偵団」や「怪人二十面相」は、書籍ばかりではなくTVや映画にもなっていたので、世代的には少々若い自分にも馴染みがありました。そういえばこんな本がシリーズになっていたっけ、と思い出すことが多く、自分はきちんと江戸川乱歩を読んでいなかったことを恥ずかしく思いました。自分が中学生の頃は、友人の影響で推理小説をよく読んでいたのですが、海外のものばかりで江戸川乱歩は知名度ほど自分は内容を知っていなかったことに気づいたのです。改めて今回の展覧会で知ったのは、闇を抉り出すような世界をずっと求めてきた乱歩の作家人生です。シュルレアリスムのようなイラストを見て、晩年のヒット作ばかりではなく、作家として自立したばかりの作品も読んでみたい衝動に駆られました。

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