「聖地チベット」展

今月12日「体育の日」の休日を利用して、東京上野公園にある3つの美術館(博物館)を見て周りました。3つ目に訪れた上野の森美術館では「聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」展が開催されていました。ここに入場して、まず思ったことは若い観客が多いということです。チベット仏教の仏像や曼荼羅を熱心に見入る若い男女がよく目につきました。アジアの国々を旅したい思いなのか、また旅をしてきて、その思いを振り返っているのか、十一面千手千眼観音菩薩像や男女2対が一体化した父母仏立像やタンカ(チベット軸装仏画)をじっくりと眺めていました。自分もチベット人の美的感覚はひとまず置いて、その仏教美術の手の込んだ凄まじさに思わず見入ってしまいました。これは日本の仏像にも言えることですが、仏教の法典やその思想を折りあれば勉強したい欲求に駆られます。それらを学んだ上でチベットに行って、仏教美術が生まれている環境を体感したいと思いました。造形美術はその根幹に哲学を有しています。その哲学が純粋に美的価値を求めているのか、また宗教としての哲学を持っているのかで造形の在り様が変わってきます。それは洋の東西、古代から現代に至るまで全てに関わってくるものです。作品がどんな思想を表しているのかを探り、そうしたモノが出現する土壌を考えることは異文化理解に欠かせないことだと思います。

関連する投稿

  • 週末 後輩たちのグループ展
    今日の午前中は工房で制作。「発掘~混在~」の表層の彫り込みに四苦八苦していました。時間がかかるのは承知していましたが、こんなにも時間がかかるとは思いもよらず、この調子でいくと畳大6点が今月中に終わるかどうか怪しくなってき...
  • 「難波田史男の15年」展
    一昨日、東京オペラシティギャラリーで開催中の「難波田史男の15年」展に行って来ました。現代絵画で大きな世界を切り開いた難波田龍起は史男の父にあたります。難波田龍起の絵画は前に何回か見たことがあり、その形象の無くなった茫洋...
  • 週末 AM制作、PM美術館巡り
    今日は午前中に「発掘~混在~」の木彫レリーフの下書きを行い、午後は家内と東京の美術館巡りに行きました。制作工程では今日から木彫の予定ですが、意欲に弾みをつけたかったことと、彫刻家の池田宗弘先生から「DOMANI・明日展」...
  • 「至福」ベン・シャーン
    画面の下半分には麦穂がたわわに実っている様子が描かれ、農夫がそれを眺めながら一人佇んでいる絵があります。アメリカ人画家ベン・シャーンによる「至福」という題名のついた絵です。「至福」はテンペラの他に同じテーマによるデッサン...
  • 葉山館の「ベン・シャーン展」
    昨日、「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト」展を見に神奈川県立近代美術館葉山館に行ってきました。ベン・シャーンはアメリカの下町やそこで生きる人々を丹念に描き、それによって社会的な背景までも炙り出した画家です。自...

Comments are closed.