「老人力」を読む

「老人力ときて、あとがきとなると、何だかもう遺書みたいだけど、そうではない。ふつうにあとがきである。」書店で立ち読みをして、まず目についたのは本書のあとがきでした。思わず吹き出して、即購入。「〜力」という最近流行っているコトバは、この赤瀬川原平著「老人力」が発端らしいのです。赤瀬川氏は大学の先輩にあたる人で、世代はだいぶ違うのですが、前衛美術集団「ハイレッドセンター」で活躍したことは美術雑誌等で知っていました。自分の学生時代は、こうした前衛集団はいろいろ理論武装していて過激なパフォーマンスがあったりして、近づき難い存在でした。アートをやって逮捕されたりするのは、自分にはついていけない世界でした。当時自分が関心をもったアングラ演劇集団も似たところがあったのですが…。そのうち赤瀬川氏はテレビに出てコメントをするようになって、親しみやすく、あるがままの人柄が滲み出ている感じがしました。そこにこの「老人力」。ともかく面白い本でした。あっという間に読んでしまいました。自分もそんなことを考える歳かなぁと思いつつ、力が空回りしてしまう若年時代を振り返り、なるほど老人力は老人でなくても感受したい力だと思うようになりました。これは生きるツボのようなもので、力まずに豊かに自分を表現できる術を学ばせてくれました。                       Yutaka Aihara.com

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