琴平電鉄「八栗駅」

香川県高松市に行ったのはかなり前のことですが、地方のローカル線で気に入っているのが琴平電鉄です。小さな電車に揺られながら、八栗駅で降り、そこから石材店の並ぶ路地を歩いて、牟礼のイサム・ノグチ庭園美術館に行きました。近くに庵治港があって、海岸線の向かいには石切り場のある山が迫り、凹凸のある風景が広がっていました。八栗駅はとても小さな駅でした。こんなところに世界的な彫刻家の住居と美術館があるのかと思われるほど閑散とした印象を受けました。墓石を扱う店が軒を並べているのを見て、なるほど石の町に来たんだなぁと納得しました。讃岐うどんを食べて、町の中を練り歩き、寄り道しながらイサム・ノグチ庭園美術館に辿り着いたことが思い出されます。庭園美術館の周囲も石材店が多く、庭園美術館がこうした町の中にあるのが、ちょっと驚きでした。自分の勝手な想像では広々とした丘の上に建っているものだと思い込んでいたからです。八栗駅に戻って、人気の無いホームで、庭園美術館内部の空間とこの駅のあまりにも違う環境に不思議な、それでいて気持ちの良いミスマッチを感じていました。   Yutaka Aihara.com

Random Posts

  • ドイツの近代彫刻家
    数年前、東京上野にある東京藝術大学美術館で、ドイツの近代彫刻家エルンスト・バルラッハの大掛かりな展覧会がありました。春爛漫の季節に美術館を訪れて、バルラッハを堪能したのですが、自分が初めてバルラッハの彫刻と対面したのは、...
  • ウィーン分離派
    自分が通っていたウィーン国立美術アカデミーの裏に不思議な建物がありました。建物の頭に金属の葉で出来た球体をのせた建物で、よくアカデミーの窓から眺めていました。その建物は「セセッション」という建物でした。自分がアカデミーに...
  • 「クレーの旅」を読んで
    新藤信・文「クレーの旅」を読みました。写真図版が多く旅のイメージが捉えやすい冊子です。クレーに限らず芸術家が旅で得る情報、体験がいかに大切なものかがよくわかりました。クレーの場合は、北アフリカのチュニジアで目のあたりにし...
  • 警告つきの愉快な仲間たち
    ヒエロニムス・ボスの絵画はどれをとっても愉快でたまりません。妖怪に恐ろしい仕打ちを受けている人間がいて、そこに様々な謎や物語があって、細部を見ていると飽きることがありません。これは画家から発せられる社会に対する警告であり...
  • 「陶」という素材
    「陶」は語りつくせないほど思い入れのある素材です。彫刻を学び始めた20代初めから興味関心がありました。塑造を石膏で型を取り、そこに新たな石膏を流し込み、型を割って石膏として作品を残す方法に、当時はずっと疑問を持っていまし...

Comments are closed.