「アフリカの美」展にて

現在、MOA美術館で「アフリカの美〜ピカソ、モディリアーニたちを魅了した造形〜」という企画展が開かれていて、これは自分の興味関心のある分野なので、休日の高速道路の混雑にも関わらず、熱海まで出かけていって見てきました。かつてニューヨーク近代美術館で「20世紀美術におけるプリミティヴィズム展」があって、それに関する分厚い書籍(図録)を、自分が滞欧していた国で手に入れて持っています。その書籍はドイツ語で書かれています。(翻訳はキツいので図版だけ見ていました…)今回の「アフリカの美」展は、ピカソを初めとするヨーロッパの巨匠との作品をアフリカ民族の仮面や布と並列して、確かにその相似性を打ち出した展覧会ではありますが、それだけに留まっていない印象を持ちました。アフリカでそれらのモノが美術ではなく、儀礼や日常生活の中から生み出されてきたモノであることを捉え、さらに現代アフリカの「美術」も総括する内容になっています。いわば西洋一辺倒な考え方(ヨーロッパの芸術家がアフリカから着想を得た当時の思想)から、一歩抜け出し、アフリカ側の美術も網羅した展覧会になっていると思いました。 Yutaka Aihara.com

関連する投稿

  • 「もの派」を考える
    素材に何も手を加えず、ギャラリーの空間に放置する展示方法を自分はどのように考えるか、現代に至る造形思想史を辿れば、「もの派」の登場した背景がわかりますが、これを美術に関心の薄い人々はどう見るのでしょうか。もっとも私の非対...
  • 夏季休暇 美術館巡り
    今日と明日の2日間夏季休暇を取っています。先週の2日間の夏季休暇は菩提寺の墓参りと長野県麻績にいる彫刻家池田宗弘先生宅にお邪魔して2日間を過ごしました。今回の夏季休暇の予定では、今日は都心の美術館巡り、明日は茨城県にいる...
  • 信濃観月苑の「猫展」
    昨日、長野県麻績の池田宗弘先生宅を訪ねた折、麻績村にある信濃観月苑で池田先生が「猫展」を開催しているので見てきました。猫は池田先生にとって生涯の友であり、彫刻や絵画、版画のテーマでもあります。池田先生が育てた猫は数知れず...
  • 発見・再発見で変わる美術史
    世界の美術史であれ、我が国の美術史であれ、無名だった芸術家の発見や再発見によって時代の奥行きが出たり、また美的基準が見直され価値感が大きく変動することがあります。停滞が続いた時代が破壊と創造を繰り返す時代に変わるときに、...
  • 竹橋の「パウル・クレー展」
    パウル・クレーという画家名が新聞の展覧会欄に載っていると、必ず展覧会に行きたくなるという癖が自分についてしまいました。何度クレーの絵画に触れたことか、滞欧生活の頃から考えると数え切れません。クレーは多作だったので、そのつ...

Comments are closed.