トロムソコラージュ

先日ブログに書店で手にとって捲った文章が忘れられなくなったと書きました。まさに谷川俊太郎著「トロムソコラージュ」がそれなのです。それは立ち読みから始まって、一旦書架に本を返した後、再び手に取り、結局購入となりました。表題の長編詩は「私は立ち止まらないよ」というフレーズで始まっています。次から次へと映像のように詩が続き、視点がコロコロ変わり、いつ終わるとも知れない世界が展開しています。よくわからないけど、何かが面白いと感じたのです。ドラマ仕立ての作りものなのか、時折リアルな感情が沸きあがって心の襞を擽るのか、そのどちらでもない不思議なバランスがあって、生活臭の希薄な軽やかさが新鮮に思えます。仕事でくたびれた時間帯に書店に入り、ふと出会ったコトバの風が頬を撫でていくように思えました。きっと自分が作っている彫刻にもそんな風があると信じたいと思える詩集でした。

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