ロースハウス

最近購入した新潮社「奇想遺産」。1980年から5年間暮らしたウィーンの街で毎日見ていた建物がロースハウスでした。「奇想遺産」によると出来上がった当時は市民のひんしゅくを買ったことがわかりました。バロック建築の街で、このロースハウスは装飾をなくした「のっぺらぼう」であって、ウィーン当局は工事中止命令を出したこともあったそうです。現代の眼からすると、ロースハウスは街に溶け込んで、むしろ目立たない存在だと思います。自分が住んでいた当時、何かの書物でアドルフ・ロースという建築家を知り、その代表的な建築がロースハウスだとわかって、改めて見に行きました。この何の変哲も無い建物が、完成当時物議を醸し出したことに不思議な感じを持ちました。それほどロースハウスは現代に繋がるデザインをもって登場したのだと思います。現在ロースハウスが普通に見えて、バロック建築が異様に見えるのが何よりの証拠でしょう。              Yutaka Aihara.com

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