自宅近くの開発工事

公共交通機関を使って通勤するようになって、自宅の裏の景観が日ごとに変わっていく様子がわかるようになりました。自宅は小高い丘の上にあります。その中腹を切り崩して、大きな介護施設が建つのです。今は重機が入って丘が削られ、土留めを作っています。そこはつい最近まで雑木林や畑があったところでした。景観がみるみる変わっていく有様は、人の記憶をどんどんリセットしていくようです。先日までどんなものがそこにあったのか記憶が定かではなくなっています。大きな切り株があるので、このへんは鬱蒼とした雑木林だったという漠然とした記憶を残すだけです。でもそこにあったたくさんの切り株は、何か彫刻にできそうな触覚的な印象を与えていました。「地球を彫刻する」と言ったイサム・ノグチのように自宅の裏では重機という塑造ヘラによって大地が彫刻されています。でもそれは彫刻的な共感は呼びません。合理的な建物がそこに現れてくると思っています。    Yutaka Aihara.com

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