見えない部分の造形

絵画と異なり彫刻は四方八方、つまり360度どこからでも鑑賞できます。作品に裏側がないと言っても構わないと思います。加えて陶彫はたたら状(板状)にした面で囲んで立体にするため内側も作品の部分となります。陶彫は面で構成された彫刻のひとつです。ましてや自分の作品は穴が多数開いているため内側が見えるのです。厚板で作っている土台も穴があるため内側が見えます。見える見えないは別として、自分は見えない部分も造形しています。そこがディスプレイとは異なるところかなと思います。彫刻は作品の見え方よりも立体としての考え方を鑑賞者に提示していると自分は考えています。今日の作業はその見えない部分の制作をしていました。実際の展示では隠れてしまうところです。時間をかけて見せない細工を丹念に行った一日でした。                              Yutaka Aihara.com

関連する投稿

  • 平成最後の1月を振り返って… 今年の5月に新しい元号になることから、平成最後という冠があらゆるところで用いられそうですが、平成最後の1月が今日で終わります。光陰矢の如しと言うけれど、本当に今月は時間が経つのが早く感じられました。 […]
  • 連休最終日は出張&美術館巡り 三連休の最終日です。今日は公務員管理職として午前中に出張があって休日返上となりました。幸い出張は午前中で終わったので、午後は東京の美術館巡りをしました。まず、東京六本木にある国立新美術館。彫刻の師匠 […]
  • 三連休 新作の制作目標 今日から三連休です。現在取り組んでいる陶彫の新作は2点あります。大きい作品は擂り鉢状の円形をした作品です。もうひとつは絵画的な構成から発展した作品で、擂り鉢状の作品に比べて、小さいスケールで作ってい […]
  • 午後は横須賀美術館へ… 職場の仕事は午前中に切り上げて、午後は年休を頂きました。年休を取った目的は、昨夜の陶彫成形の続きをやりたかったのです。昨夜は困難に直面したまま頭が朦朧としてしまったので、今日は何としても仕切り直おさ […]
  • 週末 後輩の美術展へ 週末になり、朝から工房で制作三昧です。まだまだ暑い日が続いていて、土練りやタタラ作りに汗を流しています。毎週制作工程に追われるような気分で作業に精を出していますが、時に何が楽しいのか、自問自答をして […]

Comments are closed.