払拭できない具象のイメージ

ポストカード大の平面作品を毎日描いているRECORD。今シーズンは1ヶ月ごとに幾何形体をひとつ決めて、それをもとに日々思いつくイメージを作品にしています。正方形や三角形、円といった定規で作るカタチを画面に入れて、そこからイメージをしていくのですが、構成的な作品になる時もあれば、別の世界に囚われてしまう時もあります。今月は凹形をテーマにしていますが、先月の半円形あたりから具象絵画のような要素が現れて、今も具象傾向を払拭できないでいます。個展で発表している陶彫の「発掘シリーズ」も抽象形態でありながら、都市という具象性をもっています。完全なるカタチのためのカタチになりきれないところが自分にはあると感じています。それはあるいは素材によるところもあるのだろうと思います。自分が扱っている陶土や木は、論理的な仕事に徹し得ない情感のようなものが出てしまうのです。それでよしとする自分の仕事は、具象作品と呼んでいいのかもしれません。                            Yutaka Aihara.com

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