陶彫を始めた原点を探る

自分の個展の図録には粘土を石膏に変えて保存するのではなく、粘土のまま保存できる技法として陶彫を選んだという主旨を書いています。これは当時から本当に素直な気持ちでそう感じていました。でも陶彫というものを見たことがなければそんな発想には至りません。自分が現在個展をやらせていただいているギャラリーせいほうに、自分は20代の頃から通っていて、そこで陶彫作品に出会えたことが、陶彫という技法をやってみようとした契機になっています。大学の彫刻科で石膏型取りをしている時も粘土のまま硬化(石化)させられたらいいのにと思っていました。自分が通っていた大学には故井上武吉先生、故若林奮先生、保田春彦先生、それに直接の恩師池田宗弘先生と金属の素材を扱われている方がたくさん勤務されておりました。でも陶彫をやっている人はいなかったのです。振り返れば自分は大学ではなくギャラリーで見た陶彫作品の数々が制作の原点になっていると思います。

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