辻晋堂の彫刻
2008年 11月 12日 水曜日
八木一夫のオブジェ焼に関する書物を読むと、そこにちょいちょい辻晋堂という名が出てきます。彫刻家辻晋堂は亡くなられて随分経ちますが、ギャラリーせいほうで個展をやっていた作家でした。自分は学生時代に個展にお邪魔して数々の作品を見ていましたが、ご本人にお会いできる機会はありませんでした。写真でしか見たことのない若かりし頃の木彫によるきりっとした具象作品。研ぎ澄まされた緊張感が漂うのを写真でも感じることができます。自分が目にした辻晋堂の作品は平面性が表に出た陶彫です。それは岩のような壁に穴のあいた扁平なフォルムで「拾得」とか「寒山」というタイトルがついたものでした。ギャラリーせいほうでの晩年の個展に出品されていたのは、ご本人曰く「粘土細工」と称していたもので、かつての木彫の頃の具象とは違う趣の作品でした。「彫刻を捨てた」無心の造形と見るべきか、でも気品を失わない造形が当時の自分にはとても印象的でした。
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Tags: ギャラリー, 作品, 個展, 展覧会, 彫刻, 書籍, 木彫, 芸術家, 陶彫
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