「風神雷神図屏風」を見比べる
2008年 11月 5日 水曜日
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一による「風神雷神図屏風」が並べて展示してあることは今までにないことだと思います。東京上野の国立博物館平成館で開催されている「大琳派展」は絢爛たる作品が並べられ、なかなか見応えのある企画です。「風神雷神図屏風」は楽しく奇怪なモチーフで、余白を大きく取った構成も含めて日本美術の中でも傑作のひとつと言えます。自分は俵屋宗達を見慣れているせいか、尾形光琳や酒井抱一は新しく生々しい感じをもちました。それでも卓抜した筆さばきや配置がそれぞれの風神雷神を際立たせているように思いました。鈴木其一は空間をたっぷりとった近代風の風神雷神に見えました。さらに現代の画家が描いたらどうなるのだろうと思いを巡らせながら、「大琳派展」をじっくり楽しんできました。
関連する投稿
- 再開した展覧会を巡り歩いた一日 コロナ渦の中、東京都で緊急事態宣言が出され、先月までは多くの美術館が休館をしておりました。緊急事態宣言は6月も延長されていますが、美術館が漸く再開し、見たかった展覧会をチェックすることが出来ました。 […]
- 「美術にぶるっ!日本近代美術の100年」展 東京竹橋にある国立近代美術館全館を使って大がかりな展覧会が開催されています。「美術にぶるっ!」というキャッチコピーが目にとまったので見てきました。いわゆる所蔵作品を選抜した展示で、学芸員の企画力と頑 […]
- 上野の「バルティス展」 先日、東京上野の都立美術館で開催されている「バルティス展」に行ってきました。テレビやポスターの宣伝効果があって、自分もあまり知るところがなかった巨匠の作品を一目見ようと出かけたのでした。露わなポーズ […]
- 横浜の「マックス・エルンスト展」 先日、横浜美術館で開催中の「マックス・エルンスト展」に行ってきました。シュルレアリスムの主流な芸術家の一人であるドイツ人画家マックス・エルンストは、画風がシュルレアリスムであるなしに関わらず、自分は […]
- 横浜そごうの「いのくまさん」 先日、出張先から帰る途中に横浜駅で楽しいポスターが目に入りました。平仮名で「いのくまさん」と書かれ、落書きのような猫の群像があって、思わず横浜そごう美術館に足を運んでしまいました。それは画家猪熊弦一 […]
Tags: 作品, 展覧会, 画家, 芸術家
The entry '「風神雷神図屏風」を見比べる' was posted
on 11月 5th, 2008
and last modified on 1月 30th, 2010 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.