デルフトの眺望

昨日まで読んでいたフェルメールの伝記小説「運河沿いのフェルメールの家」は、冒頭フェルメールの結婚式で真珠の耳飾りが登場し、最後はデルフトの風景をフェルメールが描くところで終わっています。最後に出てくるのが有名な「デルフトの眺望」なのでしょう。「デルフトの眺望」はまだ図版でしか見たことがなく、いずれオランダのハーグに行く機会があれば、ぜひ見たいと思っている絵画です。フェルメールは人物画にしろ数少ない風景画にしろ構図が計算されつくしたように完璧で、非のうちどころがありません。当時のデルフトの様子を伝える風俗画としても楽しく見ることができますが、この静謐な雰囲気はやはり本物を通して味わいたいと思います。とくに空と運河の水の表現に注目したいと考えています。風景画の中を眼で散歩して、当時の空気を感じたいと思っています。

関連する投稿

  • 「中空の彫刻」読後感 「中空の彫刻」(廣田治子著 […]
  • 「グロテスク」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中の「第3章 彫刻的陶器への発展と民衆的木彫の発見(1887末~1888末)」に入り、今回は「4 […]
  • 「状況-ファン・ゴッホとの関わり」について フランス人の芸術家ゴーギャンの生涯の中で、劇的とも言える一幕があり、そのドラマティックな事件がゴーギャンを美術史とは関係なく、世界的に有名にしたと言ってもよいと思っています。それはオランダ人の画家フ […]
  • 「絵画、彫刻の自律性の追究」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の第一部「19世紀における『画家=彫刻家』と『芸術家=職人』の登場」の第1章「画家と彫刻家」の「3 […]
  • 「状況-マルティニーク島滞在」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中で、今日から「第3章 彫刻的陶器への発展と民衆的木彫の発見(1887末~1888末)」に入ります。今回は「1 […]

Comments are closed.