破壊し創造するパワー

人が作るものは、より大きな世界やより深遠な世界に辿り着くために破壊と創造を繰り返すものと若い頃に教わりました。自分が今まで大切に培った感覚を壊していくのは容易ならざるパワーが必要です。作品が上手にまとまりすぎると、所詮は作りものなので退屈したり、飽きてしまったりするものです。そうした自分の過去をコピーしはじめると、作品は堕落の一歩を辿ります。ひとついいものが出来ると、それに縋りついて、繰り返し過去の亜流を作りたくなるものです。そこで今までのものをすべて捨て去って、新たな模索が必要になってくるのです。まさに破壊と創造です。今までの自分の作品を振り返りながら、限界がきてはいないか、発展性はまだあるのかを自問自答しながら、時に大鉈を振るって破壊し、さらに創造の源へ向うパワーを出さなくてはならない時がきっとくると思っています。          Yutaka Aihara.com

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